森の映画祭2019のコンセプトは「いつのまにか」。季節が変わるように滑らかに、人々は歳を重ね、ものごころをつかせ、たくさんのことを考えるようになる。そんな、いつのまにかうつろいゆく世界の中にも、本当は変わらないものはいるよね、ということが2019のテーマ。変わらないものとは何なのかを問うことで、いつのまにか忘れかけていた色々なことをふと思い出してしまう、そんな森の映画祭2019を目指しております。少年自然の家を現代的にリノベーションした”大人の林間学校”をテーマとした泊まれる公園「INN THE PARK」から漂うノスタルジックでどこか懐かしくて暖かい雰囲気に、森の映画祭ならではのやさしさと温もりを添えて、たった一夜だけの静かでとっておきの、五感まるごとでたのしめる森の映画祭をおたのしみくださいませ。
だいじなものはどこにいるとおもう?
郵便受けをひらくと、てがみがあった。
そのてがみには変な土の跡がついていた。
「だいじなものはどこにいるとおもう?
うつろいゆく世界で 変わらない気持ちもある
うごいていることばかりじゃないのさ
クッキーを焼いてまってるよ」
てがみの裏には木みたいな絵がたくさん。
そして、まんなかには大きな矢印のようなもの。
クッキーを食べたかったわけではないけれど、
招待状をもらった気分で気づくとあの森を目指していた。
その場所には誰もいなかったけど、猫がいた。
ぼくの右手のてがみをちらりとみると、猫は森の奥へと消えていった。
森の向こうからクッキーのかおりがする。
「猫には九つの魂があるってほんとかな」
「チョコレートクッキーだといいなあ」
そんなことを思っているうちに、いつのまにか森を抜けていた。
そこには小さな大きな世界が広がっていた。
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あいことば をとなえる。
「よし、とおれ」
ここはぼくら5人のひみつのばしょ。
まちじゅうのかっこいいものが集められている。
きらきらの石。サイダーのビー玉。
裏山で拾った強そうな枝。
どれもぼくらのたからものさ。
まちじゅうのかっこいいものがここにある。
いつかはまちの中心にぼくらのばしょをつくるんだ。
大きな原っぱのひろがるメインエリア「まちはずれのたからじま」。スクリーンでは「きみに読む物語」や「インターステラー」をなどの長編映画を上映。映画と映画の間にはトークイベントも。そのほか、飲食やショップが並ぶ「まちの商店街」やテントサイトゾーンである「まちのねむるばしょ」などが点在している。
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パパが おにくさんがいないって言って
おでかけしちゃったから ひとりで おるすばん。
じゃがいもさんをあらって 待ってるの。 えへん。
じゃーじゃー ごしごし つるんつるん
パパの つくってくれる カレーなら
にんじんさんだって たべられちゃうの。
でも 早く かえってこないかな。
「ただいま。わあ、じゃがいもが洗ってある!」
つぎはにんじんさんもあらっちゃお。
森の映画祭史上初の屋内エリア「ねえねえ みてみて!」。スクリーンでは「顔たち、ところどころ」や短編映画を上映。エリアのものがたりにも登場するカレーライスや国産茶葉ミルクティー専門店「FAR EAST TEA COMPANY SHIBUYA」を楽しむことができる。
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おひさまがねちゃって、もうまっくら。
まいにち歩いているばしょなのに、
赤い信号や自分の影がなんだかこわい。
いつものばしょはどこにいっちゃったのかな。
行ったことがあるのに行ったことがない世界。
まっくらがせまってきても、
ふたりで手をつなげば、きっとだいじょうぶだね。
それでもやっぱり、こわいこわい。
森の小道を抜けた先に現れるジャングルジムを囲んだ平野のエリア「まっくらのなか」。スクリーンでは「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」や短編映画を上映。テントサイトゾーンである「くらやみにひそむ」や、サブバーとコミュニケーションスペースである「スナックよぞら」がある。