FOREST MOVIE FESTIVAL 2017
夜空と交差する森の映画祭2017

夜空と交差する森の映画祭2017

野外映画フェス

2017年10月7日(土) オールナイト開催
愛知県西尾市一色町 佐久島

特設サイト ティザーサイト

「しゅわしゅわ」と溶けた淡い記憶たち

女の子の幻影を追いかけてー。記憶の向こう側から囁きかけた女の子の声を聞き、あの日のあの子を見つけるために足を踏み出す。「祭り囃子の隙間から」「放課後、伸びた影と」「真夜中に抜け出して」の3ステージを通して、泡沫な世界観「しゅわしゅわ」を表現した。

はじめての離島開催

森の映画祭史上初の離島開催。人口230人程度、信号機やコンビニ・タクシーのない穏やかな佐久島(愛知県)で実施した。小学校や浜辺など島全体を使用して、行政と島民の協力のもと一夜限りの映画祭を盛り上げた。

文庫本サイズのパンフレット

来場者全員に配布する今回のパンフレットは持ち運びもしやすい文庫本サイズ。どこかノスタルジックなデザインを目指した。本土側の港で配布し、プロローグに乗船する描写を入れることで来場者に物語への没入を狙った。

サイダーのにおいに誘われて―。

「はじけるまえに、探しにきて―」
記憶の向こう側から透明な声が囁きかける。

引き寄せられるように辿り着いた船乗り場。
風が運んだサイダーの甘いにおい―
追いかけるように海に出た。

潮風が日常を置き去りにしていく。
水平線にぼんやりと小さな島が現れた。

渡船場に立つ女の子とふいに目が合う。
透明な声は、あの日のあの子だ。
駆け足で船を降りると、あの子はいなくなっていた。

思い出を追いかけるように足を踏み出す。

真夜中に抜け出して

初めての約束はいつものあの場所。
静寂の玄関、履きなれた靴を小脇に抱えて。
窓からまだ見ぬ暗闇の世界へ。
寂しい街灯も今夜はイルミネーション。
光の道をくぐり抜けて、君と星を見に行く。
待ち合わせまであとすこし。

放課後、伸びた影と

校舎に響くチャイムと調律の調べ。
白いカーテンを放課後色に染める太陽。
昼間の賑わいを失った教室に、高鳴る鼓動が響く。
校庭には寂しそうな野球ボール。
小走りで近付いたことが、どうかバレませんように。
偶然を装った、君との帰り道。

祭り囃子の隙間から

大きな手をぐっと握って雑踏を掻き分ける。
香ばしい煙や甘いにおい。
小さなプールに浮かぶキラキラと良く跳ねる丸い宝石。
わくわくとドキドキが林檎飴に映る。
夜空と踊る赤い提灯、染まる頬。
そして、ざわめきの向こうに君を見つけた。

文庫本サイズのパンフレット

今年のパンフレットは学生の頃に誰もが手にした文庫本のイメージ。全員が渡船しないと会場に辿り着けない性質を利用し、本のプロローグ部分に船で渡る描写を挿入。森の映画祭が終わった後も本棚に並べて、あの日の思い出として残してほしいという想いで制作した。書籍カードはワンドリンクチケット。

愛知県 佐久島

愛知県西尾市一色町に位置する人口230名ほどの離島。東西直線距離で1km程度と小さく、アートの島と認知度が高まっています。当日は西尾市や島のみなさんのご協力のなかイベントを行った。